チャペル便り第6号
去る8月22日(火)に教職員修養会を行いました。今年は、青山学院大学教授の左近豊先生をお迎えして、「未来にある希望―旧約預言者に聴く―」と題して、講演をしていただきました。今年度、本校の年間聖句を取り上げてくださいました。旧約の預言者エレミヤは、悲しみの預言者、苦悩の預言者と呼ばれました。なぜかと言いますと、神さまから預かった言葉を語ったエレミヤの言葉が、神が選び愛された民イスラエルに届かなかったからなのです。そこで、左近先生は、エレミヤが生きた時代は、自分たちが約束の地として与えられたイスラエルがバビロン帝国によって滅ぼされてしまうという暗く悲しい時代であったことを語られました。これまでの世界が決定的な終わりを迎えたのです。しかし、そこにはもうすでに新しい世界が始まっていたというのです。あなたの未来には希望があると神が語られたのです。そのことを知る者は、あの危機を生き延びた者たちによって語り継がれました。この講演を通して、神の救いの歴史的事実をどのように語り継ぎ、噛みしめて、生きていくのか、その示唆が与えられました。2023年戦後78年目の夏を迎えました。あの戦争が忘れられ、風化しそうになっています。わたしたちもまた、過去の歴史から何を受け、何を語り継いでいくのか。講演後の分団で、ある教師は、簡単な言葉では語れない、時として難しい言葉、語り切れないような言葉になるかもしれないが、過去の戦争の過ちを語り継がなければならないと言われました。