「ヤコブの夢」

2022.10.11

ホームページ チャペル便り 2022年度 第11号〈10月11日〉

「ヤコブの夢」

「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」

創世記28章15節
                                         
       

 旧約聖書の創世記には12章から終わりまで「族長物語」というイスラエル民族のリーダーの物語が記されています。

 最初の族長はアブラハムです。その次はイサク、そして3代目の族長になるのが、イサクの息子ヤコブです。父イサクには、ヤコブとエサウという双子の息子がいました。エサウの方が先に生まれたので兄です。ですので、族長を引き継ぐ権利を持っているのはエサウでした

しかしヤコブ愛する母リベカは、ヤコブが相続できるように策略をめぐらします。父イサクが年を取って目が見えなくなったのをいいことに、ヤコブはイサクをだまし、相続の権利を引き継ぎました。エサウは相続の権利を奪ったヤコブを憎み、殺そうと考えます。それを知った母リベカは、ヤコブを自分の実家のあるハランへと逃がします。ヤコブは着の身着のまま、砂漠を一人旅することになりました。

 

夜になり砂漠で野宿するとになったヤコブは、石を取って枕にし眠りました。自分がやったこととはいえ、孤独で、みじめでした。生きてハランに辿り着けるかさえわかりません。

 後悔や自責の念を抱え、泣きながら眠ったのです。

 その夜ヤコブは夢を見ました。天につながる階段が現れ、神のみ使いがそこを行き来していました。そしてヤコブの傍らには、主がおられたのです。そして言いました。「あなたがどこに行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。あなたを決して見捨てない」と。目覚めたヤコブは「主はまことにここにおられた」と、枕にした石を記念碑として立てました。
 どんな時も、神さまは「あなたを決して見捨てない」と、私たちにも語りかけられます。その深い恵みを覚えていたいと思うのです。

 ※写真は、礼拝堂横の金木犀です。先週良く香っていました。