「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」
2022.10.24
ホームページ チャペル便り 2022年度 第12号〈10月24日〉
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」
「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた
者と思いなさい。・・・喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」
ローマの信徒への手紙12章9-10、15節
10月14日に中3の学内修養会を行いました。中3は、通常は老人ホームや知的障がいを持った方の施設等を訪問し、1日ボランティア活動を体験する修養会を行っています。コロナになってからは、直接施設を訪問することが難しくなり、今年度は学内で、講演とディスカッションを中心に実施しました。
講師は、聖坂養護学校の教務主任である春日孝行先生をお迎えしました。テーマは「共に生きるために」、主題聖句は上記の聖書の言葉です。
聖坂養護学校の春日先生は、聖坂の生徒さんの中にも多い「自閉症」と「ダウン症」の特性について丁寧にお話ししてくださり、テーマである「共に生きる」についてこんな風に語られました。
「障がいはその人の一部であってすべてではない」「みんな、人と違っていてあたりまえ」「自立とは、何でも自分でできることではなく、安心して他者に依存できること」「共に生きることができる社会とは、安心して他者に依存できる社会。不安な人に安心してもらうには、笑顔で『大丈夫だよ』と声をかける。一緒に悩んで、一緒に考えて、一緒に笑う。そばにいてくれる人がいると感じられるようにすること」「何かをしてあげなくても、同じものを見て、同じ時を共有することの大切さ」「スプーン1杯のやさしさを一人一人が持とう」等、話してくださいました。そして「皆さんは、どんなことができたら障がいを持った方が笑顔で日々を過ごせるようになると思いますか?」と問いを投げかけ、生徒たちは講演後のディスカッションで、このことを中心に話し合いました。
私もグループディスカッションに加わりましたが、生徒は講演をよく聞いていて積極的に話し合っていました。日々聖坂の生徒さんと一緒に過ごす春日先生の言葉は、素直に生徒の心にも届いたのだと嬉しくなりました。
ウクライナへの軍事侵略や、長引くコロナの感染は、私たちの社会にも大きく影響を与えています。生徒を取り巻く学校や社会が、安心して日々を過ごせる場所であってほしいと願います。
※写真は「スチューデントセンター オリーブ」の入り口にあるオリーブの木です。