マリアの賛歌

2023.07.20

「そこで、マリアは言った。わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう。」          ルカによる福音書1章48節

 去る7月11日に2023年度最初の「聖書に親しむ会」を開きました。聖書を読む前に、マリアさんの印象について聞きました。多くの方々は、マリアさんのことをご存じでした。心が広く、立派な信仰を持った女性であると想像しておられました。宗教画などに描かれているマリアさんは、慈愛に満ちた微笑みを浮かべた大人の女性であることが多いと思います。会を始めるにあたり、マリアの賛歌と呼ばれる讃美歌を歌いました。そこには、英語でMarry's Songと書かれていました。マリアさんという尊敬を持った呼び名が多く聞かれるところで、英語では、マリーと親しみある呼び方をするのです。加えて専門書を読むとマリアが妊娠したのは、14ー16歳だと言われています。今日でいう中学生だったのです。冒頭にある聖書の個所には、「そこで、マリアは言った」と言って、「身分の低い、この主のはしためにも、目を留めてくださったからです。」と歌っています。身分の低いというのは、社会的に低い層に属していたということでしょう。でもそれだけでなく、自分が幼く未熟であることを知り、人の助けを借りなければならない者であることを自覚していたとも言えます。さらに言えば、完璧な者ではなかったと言えるでしょう。マリアは、最後に「今から後、いつの世の人も わたしを幸いなものというでしょう。」と歌っていますが、その意味は、自分だけが特別な体験をして、そういう体験をした者にしか分からない幸せがあるのだというのではありません。そうではなくて、いつの世にあっても、身分の低いものに神さまは目を留めてくださる。そのことを信じ、受け入れる幸いを歌っています。それは、あなたのことだと言えます。