「布にくるまれた乳飲み子」
2024.11.25
チャペル便り第4号〈11月25日〉
「天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。』」
ルカによる福音書2章10~12節
2024年12月1日の日曜日から、待降節(アドベント)に入ります。この待降節という特殊な言葉には、二つの意味があります。一つは、2000年以上前にイエスさまがこの世に降って来られたこと、もう一つは、イエスさまが再びこの世に来ると約束された日を待ち望むことの二つです。教会は、この待降節から新しい一年が始まります。
ペイジェント(生誕劇)というものをご覧になったことがあるでしょうか。教会やキリスト教学校で行われるイエスさまの生誕劇で、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子(イエスさま)を見つけることができます。みんなうれしそうにその子をのぞき込みます。救い主イエスさまは、父ヨセフ母マリアに抱かれ、養ってもらわなければ生きていけない幼子としてこの世に来られました。それは、今もこの世界で働いておられる神さまの不思議さを物語っていると思います。ある信仰者は、これが神の企てだと言いました。面白い表現だと思います。私たちの思い描きやすい救い主は、超人のような肉体と力を持ち、世の悪を打ち滅ぼすような姿を考えます。ところが、神は別の企てをもつというのです。神は力による支配ではなく、神自らが幼子となってこの世に来られ、私たちがのぞき込みたくなるほどの愛らしさと無力さをもって、この世に来られたのです。そこでは、自然と笑みがこぼれます。うれしさがこみ上げてきます。そして、世界が平和であるようにと願いだすのです。神さまが、皆さんのただ中におられるからです。