Smile and Action for the Global Future 
共に世界と未来を拓こう
(創立140周年記念スローガン)

理事長 伊藤美奈子

理事長 伊藤美奈子

学院にとりまして今年は意義深い年になります。1880年10月28日、横浜山手にハリエット ガートランド、ブリテン先生が4人の生徒を集めてブリテンスクールを創立して140年目になります。アメリカメソジスト教会の主として婦人部の方々によって創立されました。1938年、第8代のハジス校長が退任するまでは全てアメリカから派遣された女性宣教師が校長を務めていました。

創立者が蒔かれた種は、建学の精神として今日までしっかり継承されています。聖書の教え特にイエス、キリストの愛の教え、奉仕の精神は校訓「心を清め、人に仕えよ」として今日も大切に守られております。

ブリテン先生が日本にやってきたのは、58歳のときです。32歳の時、アフリカに2年間、次にインドに17年間も宣教師として活躍した素晴らしい経歴の持ち主でした。アフリカのリベリアでは暑い気候の中で、熱病と闘いながら、学校や地域でキリスト教を述べ伝えました。そして子供たちにはambition(大志)を抱くように教えています。それは彼女自身の生き方から出た言葉です。私たちも彼女のDNAを受け継ぎ、キリストの教えに従いながら、大きな志をもって自分の人生を切り拓き、それぞれに神様から与えられた使命(mission)を生涯貫く生き方を目指すよう教育しております。

又、140年前と言えば、横浜開港の21年後です。国境や言語の壁、文化の壁を越えて、グローバルな精神を抱いて私達の所に来てくださった創立者の思いを引き継いで、わたしたちも異文化世界の人々と深いところでつながり、地球人として共に生きる道を模索する姿勢を持ち続けたいと考えています。そのために、20年前から、オーストラリア、韓国、アメリカ、ニュージ―ランドに姉妹校や、提携校を持ち、積極的に相互に交流を行い、異文化に対して、広い心でありのままを受け入れ、共に学びあい、切磋琢磨して成長し、共に生きる姿勢を身に着けてほしいと願っています。

ブリテン先生が140年前に蒔いてくださった種は、同じメソジストの宣教師が作った学校である青山学院大学との強い結びつきに導かれました。2016年に、中学高等学校が、また、2020年4月からは小学校が青山学院大学の系属校として新たな道を歩みはじめました。共に協力して、キリスト教信仰に基づく、より良い教育を世の中に提供し、聖書の教えを大事にしつつ、人と社会に貢献できる人間を育んでゆく覚悟です。創立140周年のスローガンにあるように世界と未来を拓く教育を目指します。

学院長・小学校長 磯貝曉成

学院長・小学校長 磯貝曉成

本年4月1日より横浜英和学院長に就任いたしました磯貝曉成と申します。謹んで皆様にご挨拶申しあげます。小学校校長を兼ねながらの就任となります。学院長の任にはとても力不足ではございますが、教職員の皆さま方をはじめとして同窓会の皆さまのお支えをもって、努めて参ります。そして何よりも在籍する幼児・児童・生徒の皆さん、そして保護者の皆さまと共に学び歩んでゆきたいと願っていますので、よろしくお願いいたします。

横浜英和学院が創立されて本年で140年が経ちます。創立された時代は、明治維新の動乱がまだ収まりきらない混沌の時代でした。学院誌によるとアメリカから日本へ渡航が決まっていた宣教師ガスリー女史が、その渡航直前に重い病に倒れてしまいました。しかしその熱い教育の遺志を受け継いだ宣教師ブリテン女史が横浜にやってきて、本学院のもととなるブリテン女学校を創設して以来140年が過ぎたのでした。その間には存続が危ぶまれる危難の時が一度ならずありました。しかしその都度、学院の人たちは絶望とも思える状態を祈りの中に静かに受け入れ、その絶望の先に希望を託して教育の灯を若き人たちに伝えてきたのでした。

本年4月1日より、横浜英和小学校は、中学高等学校と同じく青山学院大学と系属校の契約を交わし青山学院横浜英和小学校と校名を変更しました。大学で学んだ学生が社会で活躍するにあたって必要なことは何でしょうか。世界が時間と国を超えて一体化した現代社会の動きに対応していく行動力、現実の先をも見通して現在を考える深い洞察力、そして何よりも想定外の事象に出会ったときにその現実を静かに受け入れ、その先を信じて生き抜く精神力が育まれていることが重要です。

魂が芽生えだす小学校の時代こそが人の成長に基本となるとの考えから、小学校と大学との教育のコラボレーションが生まれたのです。青山学院と横浜英和学院との系属校化は、共にメソジスト系キリスト教主義学校であることによります。本年度、青山学院横浜英和小学校の一期生が入学してきます。そして青山学院中学高等学校へと進みゆく新しい時代の幕開けであり、新しい時代を担う若き人たちの誕生です。

さて、社会は新型コロナウイルス感染の渦の中に飲み込まれています。アジアからヨーロッパさらにアメリカにと、感染はパンデミックとなりました。学校は学年末の大切な時期に一斉休校を余儀なくされ、本学院でも卒業式がこれまでの形から大きく縮小されました。さらに終業式を行えないまま春休みとなりました。2020年度の新学期をどのように迎えるのか、入学式はどのように変更せざるを得ないのかと、感染の事態は悪化を辿り、予断を許さない状況が進んでいます。集団感染(クラスター)の拡散を防ぐために社会的な規制が要請され、不要不急の外出は控えるようにも求められました。外国では都市の封鎖(ロックダウン)も続いています。

テレワークが奨められても出来ない人たちも多くいます。一斉休校はやむを得ないことと理解しても、家庭に留め置かれる子どもたちを受け止める家族のいない場合も生じています。保育園・学童保育での限界も出てきています。弱い者、少数者にしわ寄せが来ていることも事実です。職種や業種によっては経営や生活そのものが危ぶまれています。デマが飛び交うことによる社会生活の動揺と混乱が起こっています。消毒液、マスクの絶対的不足、医療体制の規模の限界も大きな課題です。

一人の人が生きるためには、一人の者の努力だけでは済まないことに多くの者が気づかされています。当たり前の生活と思っていたことが、実は様々な人たちの働きによって成り立っていたということに気づいた人たちは、この感染による重大な危機に、自分にできる範囲のことを一生懸命努めることが大切と感じています。

子どもたちや生徒も友達との学校生活がなくなり、家に留まることを強いられるストレスが蓄積し、いらいらする気持ちが家族とのいさかいを引き起こしていることもあるかもしれません。しかし、子どもたちや生徒たちも感染が拡大していく社会の様子をニュースで知り、社会が重大局面にあることを肌で感じているのではないでしょうか。そして自分なりに考え、我慢しながら生活しているのです。それにも限度があり、時には押さえていた気持ちが自然と爆発してしまうこともあります。そして、そのことに子どもたちや生徒たちは自らの心を痛めてもいるのです。誰もが社会の重大局面を肌で感じています。

子どもたちや生徒たちは、頑張っています。一人ひとりは自分のできる最大の努力をしています。それは自分のためのみならず周りの人たちのためであることを知っているからです。知らず知らずに、人が生活して行く上で何が大切かという重要な体験をまさにこの重大局面で行っているのです。私たちのスクールモットー『心を清め 人に仕えよ』を期せずして体現しているのです。感染の拡大はなお動いています。弱い者、忘れられている者の存在を思いつつ、地域や国を超え、感染阻止のために各人の出来ることに努力を続けていきましょう。短距離走ではなく、遥かかなたのゴールの見えない長距離走を私たちは走り出したのです。未曽有のことかもしれませんが、一人ひとりにできることを一人ひとりが行いつつ、互いを支え合う気持ちが希望に至ることを信じています。