うごきだす
新年度が始まり、1ヵ月が経ちました。園児たちは、新しい環境に慣れ、慣れるに従い「やりたいこと」が出てくる頃なのではないでしょうか。
ムクムクっと出てくる、子どもたちの「やりたい心」。これは大人が「やってほしいこと」だとは限りません。もしかしたら・・やってほしくないこともあるのかもしれません。
子どもたちの「やりたい心」は、大量のダンゴムシを家庭に持ち帰ることかもしれませんし、泥だらけになって遊ぶことかもしれませんし、梅の実を集めて帰ること、センダンのお花の持ち帰りかもしれません。友だちとサッカーをすること、木登り、崖からのジャンプ、どろけい、鉄棒、雲梯、キックボードなのかもしれません。
子どもが、自分でやりたいことを見つけ、自分で選び、遊びだすということは、心がうごきだすことで、何度も試し、くりかえしまた試すうちに、同じことに興味のある友だちの輪が広がっていくのです。その友だちと楽しく話しながらさらに試す。この過程がとても大事です。
大人から言われたことに、素直に聞き従うだけでなく、自分で遊びを選び、試し、好きな遊びを見つけ、遊び込むこと。これを繰り返し経験することで、主体性が身についていきます。
教育改革がすすむなか、新しい時代に必要とされる「21世紀スキル」では、「主体性」がクローズアップされています。是非、子どもたちの、ムクムクっと出てきた「やりたい心」を大切にして、とらえていってください。
一方で、「やりたい心」が大きくなると、友だち同士の間には、喧嘩が生まれます。喧嘩もまた大切な経験です。
自分は何に対して怒っているのかを、相手にわかるように言葉で伝え、相手の話しも聞いて思いを受け止め、どうしていけばよかったのかを考えていく。言って良いことと言ってはいけないことを知り、怒りの感情の表現の仕方やコントロールの仕方を、徐々に学んでいきます。この繰り返しから互いに成長していくのが喧嘩です
ここでの大人の役割は様々で、見守ること、適度な介入、制止などがあるのでしょうか。いつでも見守っていればよい、ということではないですし、制止ばかりでもダメなのです。子どもたちの成長と理解度に合わせて、大人も対応を変えていかなければなりません。
子どもたちの成長にまけないよう、大人も学び、成長していきたいですね。
園長 岡田 直美