【2,3月の生活】

2014.03.03

喜びにみちて

2月のある日のこと、年中組の男の子たちがふざけあって、友達の帽子を投げた。帽子は年少組入り口の屋根の上に。「あーあ」という声に、二人の顔色が変わる。ジャンプしても届かない。一番長い竹の棒を持ってきても届かない。先生が持っても届かない。下から棒でつついても動かない。「投げろって言わなきゃよかったな」「もう、お金を払うしかない・・・」二人は猛反省している。

すると、そこへ年長組のA君が崖の上から声をかける。「貸してみな。ここからだったら届くかも・・・」A君が受け取った竹の棒は、ゆらゆらとしなりながら帽子に近づいていく。「もう少し、あとちょっと・・・」と応援の声がかかる。棒の先の行方を見守っていた私は、「崖から落ちたら大変!」と、あわててA君の足元を見る。すると、そこには、A君の両足をしっかり抱えてしゃがみ込み重石のようになっているB君が。A君はB君のサポートに安心しきって体を伸ばし、手を伸ばしていたのでした。

なんという信頼感、そして、なんと的確なサポート。言葉を交わすことなしに、こんなことができるなんて・・・私は心から感動しました。目に見えないところで育っている子どもたちの力に、思いがけない出来事を通して出会うことができた喜びと共に、出会うチャンスはなくても、見えないところで育っている力を信じ、喜ぶ者でありたいと思いました。子どもたちを理解するには、「観察、共感、そして、畏敬」と言われています。子どもたちに「畏敬の念をもつ」ということが、とても身近に感じられた出来事でした。

 今年度もたくさんのご協力をいただきましたこと、子どもたちと共にある喜びを共有できましたことを、感謝いたします。ありがとうございました。

園長  菰田とみ子