中村 貞雄
先月の「親子の信頼関係」の続きです。親子の信頼関係、親も子も、お互いにとって良い関係を保つためにはどうしたらよいか、今回もいくつかのヒントをご紹介します。
長期的に見て「罰」は効果がないだけでなく、むしろ毎日けんかの元になり親子関係に断絶が生じるだけです。罰を与えたくなるほどいら立った時には、深呼吸し、とにかく落ち着くこと。それから、もっと良い選択肢がないか考えてみましょう。子どもは親の言うことを聞いていないように見えても、よく観察し、それを参考に自分の論理観を構築しています。愛着を何より大事にして、親の価値観をはっきりと示しながら、子どものお手本となりましょう。
短期的には「ご褒美」で言うことを聞かせることもできますが、ご褒美に慣れてしまうと、もっとたくさんもらわないとやる気が出なくなり、それを獲得するための最低限の事しかしなくなります。「〇〇しなかった(できなかった)から、ご褒美は無しね」というように、報酬が罰に変化してしまうこともあるので要注意です。必ずご褒美を与えるという習慣にならないようにすることが大切です。
いかなる時も子どもに寄り添い、共感する子育てを心がけてください。親が優しいまなざしを返すだけでも愛情のタンクが満タンになります。実際は、愛情のタンクが満タンになる子育ては十人十色。様々試行錯誤してみるのも子育てです。
秋が深まってきました。行楽の秋、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋・・・。愛情のタンクが満タンになるよう、いろいろな秋を親子で楽しんでみてはいかがでしょう。