「遊ぶ」こと

2025.04.07

 中村 貞雄

 横浜英和小学校の2025年度が始まります。ピカピカの1年生を迎え、子ども達も教職員も、そして保護者の皆様も希望に満ちた新しい年のスタートです。今年度も横浜英和小学校の教育活動にご理解、ご協力、お支えをよろしくお願いします。

全ての人が通過する子ども時代。人は生まれたばかりは未熟ですが、次第におもちゃなどで遊ぶことで自分を育てていきます。「遊ぶ」という営みは、人間の本能的な発達要求なのかもしれません。しかし遊びは、大人が安心するような育ちの結果が見えにくいのも事実です。つい良かれという気持ちから、学習の機会や習い事などを与えたくなるのですが、学力やスキルの向上は、人生を幸せに生きることに直結しないとも言われています。遊び教育こそが、協調・創造・想像・工夫・応用・判断・行動などの生きる力を育み、学力や受験や仕事で成果を出すという研究結果もあります。

私が子どものころは、毎日学校から帰るとランドセルを放り出して、近所の空き地で様々な遊びを友達としたものです。もちろん時代は違いますが、今、都市部では約4割の子ども達が平日に外遊びをしないと報告されています。また、全国の自治体では、約6割の公園等でボール遊びなどの規制があり、中には、子どもの声がうるさいという理由で、全く遊べない公園もあります。子ども達は、遊びを通じて自分を知ります。そして人生を手作りできるように育った子ども達は、「こんなふうに生きてみたい」という意欲を持ち合わせていきます。勉強や塾、習い事を否定するのではありません。知識や技能は、これからの人生の土台となっていく大切な力です。中高からも確かな学力を求められています。しかし、一方で子ども時代にこそ「やりたい」を大切に、自分の責任で自由に遊ぶことも必要な事なのです。「遊び」と「学力」は両立できると思っています。

最近は「プレーパーク」という遊び場が全国で広がっています。春の良い季節です。お休みの日には家族で出かけて体を使って遊んでみてはいかがでしょうか。