自立と自律

2020.07.01

磯貝 曉成

 

 天候が近年激しく変わり,昔ながらの二十四節気の移り変わりも少しずつ薄れてきていますが,いかがお過ごしでしょうか。

 さて,新型コロナウイルス感染防止のため,現在学校は分散登校を行っています。その前には臨時休校が続きました。その毎日の生活を通して,小学生は小学生なりに様々なことを考えたと思います。それはもしかすると,子供たちにとってはこれまで考えたこともなかったことかもしれません。それは,この誰もが困っている社会を,誰もが見聞きし,体験してきたからです。その中で,私に何ができるのかという問いを持ったと思います。

感染が怖いと誰もが思います。しかしその思いを持ちながらも,果敢に困難に向かって頑張っている人たちのことを聞くと,自分のことだけを考えているのではなく,私にも何かできるのではないかと,小さな胸の内できっと考えたことでしょう。

 この困難な状況に対して,自ら考えたということが,これからの本人の生き方にこれまでとは違う何かを加えてくれたはずです。それは,自立と自律ということではないかと思います。このことを自分のこととして考えるのは,本来ならば,もう少し年齢が必要なはずなのでしょうが,誰もがこれまでと違う非日常を過ごす中で,たとえ小さくとも,自分で考え,自分で行うことがとても大切なことだと感じたのではないでしょうか。

 例えば,電車の中で自分は座っている。その自分の前に足元のおぼつかない人が来ました。何も感じない人もいるかもしれませんが,子どもたちは立ちどころに感じたと思います。この人に対して,自分の出来ることは何か。そして自ら席を譲っていくと思います。それは最近,学校で出会う子どもたちを見ているとそう感じるのです。

 自立とは,単純なことです。自ら立つことです。そして自ら立つのは,自ら自分を律することができるからです。

 自立と自律について,皆さまの御子様はいかがでしょうか。