横浜英和学院
とは
基本情報
横浜英和学院は、1880年に横浜居留地48番地にメソジスト・プロテスタント派の女性宣教師ハリエット G. ブリテン先生によって創立され、今年で創立145周年を迎えます。1916年、第八代校長オリブ I. ハジス先生の時代に現在地、蒔田の丘に移転してきました。長い間、中学高等学校は女子校でしたが、2014年に青山学院大学と中学校・高等学校が系属校提携を交わし、その後2018年に男女共学へ移行、2019年には小学校も青山学院大学と系属校提携を結び、今日に至っています。
俳聖松尾芭蕉が、蕉風俳諧の重要な理念として「不易」と「流行」ということを説いたことは、つとに知られています。弟子の向井去來が芭蕉の俳論をまとめた『去來抄』のなかで、「不易を知らざれば基たちがたく、流行を知らざれば風新たならず」とその心が説かれています。21世紀の激動の時代を歩む横浜英和学院の教育にとっても、極めて重要な視座を示してくれている言葉と言えるでしょう。
本学院にとっての不易となるものは何かと言えば、イエス・キリストの愛に基づき、「心を清め、人に仕えよ」と校訓で謳われている人格の育成に努めることにほかなりません。そこで求められることは、まずもって教職員一同が、この校訓を自らの心に刻み、日々の教育的営みのなかで体現していくことにあります。
本学院にとっての「流行」となるものは何かといえば、これまでの日本の教育が一貫して重んじてきた記憶を重視し、必ず正解が用意された問題を解き続ける受け身の学びを変えていくことにほかなりません。基礎学力を持つことは極めて重要なことです。そのことを疎かにすることはできません。しかしオープン・AIが日進月歩するなか、今ある多くの職業も近い将来には人工知能に取って代わられる時代を迎えようとしています。それだけに本物の思考力、判断力、表現力が問われることになります。それらの力をしっかりと身に着け、自らの個性豊かな賜物を存分に発揮し、未知なるものに果敢に挑戦していく愛に富んだ勇気ある人格を育むことが、新しい時代に新しい風を吹き込む本学の教育的使命です。
今、世界は、不安定な国際情勢と経済状況の中にあります。日本国内も、様々な災害や物価高などの不安に満ち、誰も先行きを見通すことのできない状況が続いています。学校現場では、地球温暖化や様々な感染症の影響の中、安全にかつ継続的に園児、児童、生徒への教育を行うことが日々の最重要事項となっています。けれども、どのような状況にあっても、本学院の使命と責任は、キリスト教による人格教育を行うことにあります。
そして、グローバル社会にあって、人々と共感し、つながり、平和な世界を創り出す原動力となる働きのできる人間の育成。それは、145年前に海を越えて横浜の地を踏み、本校を創立した宣教師たちの願いでもあるはずです。
校訓「心を清め 人に仕えよ」は、自分に与えられた賜物を生かして人に与え他者のために生きよ、と学院にかかわる児童、生徒、教職員を促すものとなっています。
今後の学院の歩みが、神のみ心にかなうものであることを常に祈り求めていきたいと思います。