校長メッセージ
― Shine like stars ―
星のように輝く
グローバル社会を生き、星のように輝く
今、世界はアフターコロナという新たな航路を進んでいます。先行きの見えない航海に旅出っていく生徒たちに、学校が教育という形で伝えていけるメッセージは何でしょうか。世界で起きている紛争や災害、感染症、地球環境など様々な難題をどう乗り越えていくのか、どうやったら解決していけるのか、その問いの答えを生徒と共に考え、探究することこそ、今、学校教育に求められていることです。そして、たとえその航海が困難なものであったとしても、夜空を照らす星のように、希望をもって他の星と共に輝き続ける人生を歩んでいく、そういう人を育成したいと心から思うのです。144年前、”Here am I. Send me.” 「私がここにおります。私を遣わしてください。」と自らのミッションを果たすべく、海を越えて横浜の地を踏み、本校を創立した宣教師たち。その建学の精神を土台として生徒たちを未来社会へと船出させる教育、それが青山学院横浜英和中学高等学校の教育です。
キリスト教を基盤とした中高一貫教育
1880年(明治13年)10月、アメリカ人宣教師ミス・ブリテンは横浜山手の地に「ブリテンスクール」を創立しました。1859年の横浜開港から21年目、今から143年前の時代、ブリテンをアメリカから横浜に向かう航海へと押し出したのは、「教えるものなくして、どうして知ることができるでしょうか」という海外伝道への使命でした。そのあとに続いた女性宣教師たちはみな同様に、熱意をもって使命に生き、本校の土台を築きました。
1916年に現在の蒔田の丘へ移転した本校は、それから100年後の2016年4月に青山学院大学の系属校となりました。2018年度からは共学校となり、今年3月に男子Ⅰ期生が高校を卒業しました。
本校は「キリスト教に基づく人格教育を行う」という建学の精神のもと、謙虚に自立した社会的存在として他者や社会に貢献していくことのできる人格の育成を教育方針とします。校訓「心を清め 人に仕えよ」は、自分に与えられた賜物を生かして他者のために生きよと、将来の社会的自立と社会への貢献を生徒に促すものとなっています。
教育目標は「神を畏れる」「自立する」「隣人と共に生きる」の3つで、キリスト教教育、キャリア教育、グローバル教育として、6年一貫の教育プログラムの中で具体的に実践されています。
生徒像は “Global Citizen with 3 I’s“
青学英和の生徒像―それは「知性、品性、国際性をもったグローバルシチズン」です。キリスト教的な価値観を持ち、多様性を受け入れ、様々な人々を理解し、共に考え、歩んでいける知性(intelligence)、品性(integrity)、国際性(international mind)という3つのIを兼ね備えたグローバルシチズンです。この3つのIとは、専門的技術・知識としての「知性」、うそ偽りのない誠実な生き方のできる「品性」、人との関係を積極的に築いていける「国際性」です。そしてこの生徒像は、豊かな人格と確かな学力によって裏付けられたものです。
本校には、約30年にわたりグローバル教育を先進的に進めてきた実績があります。この間、海外の姉妹校との絆を深め、確かな連携関係を構築してきました。コロナにより海外渡航は一時中断していましたが、昨年から海外渡航のプログラムを全て再開しました。今年度も8月にオーストラリアの2校の姉妹校やニュージーランドのセントバーナード校への短期留学、アメリカでのシアトルサマープルグラムやボルチモア短期研修への参加、9月に高校2年生全員参加のカナダ海外研修が実施される予定です。2022年から開始したカナダでのターム留学、1年留学はすでに複数の生徒が参加し、かけがえのない経験をして帰国しました。今年度も4月からは、3名の高校生がカナダへのターム留学に出発し、9月には2名が1年留学に出発します。受け入れプログラムとしては、今年の9月には、メルボルンの姉妹校フィントナスクールから約20名の生徒、教師が来校します。海外大学への進学サポートも実績をだし、昨年度に引き続き、今年度も海外大学進学の夢を実現させました。
さらに今後は、文理を越えたSTEAM教育の具体化が必要です。科学セミナーの実施や理科の「探Q学習」の推進、様々な企業や官庁によるキャリア研修など、在校生が体験的に広い視野と思考力を身に着け、幅広い進路選択ができる環境を学校全体で創り出していきたいと思います。
より豊かで確かな青山学院大学との高大連携
横浜英和学院と青山学院は共に、アメリカメソジスト派の宣教師によって創立された学校です。系属校化の目的は、「心を清め、人に仕えよ」の横浜英和学院のモットーと、「地の塩、世の光」として神と人に仕え社会に貢献するという青山学院のモットーを融合させつつ、共に連携してキリスト教を基盤としたより豊かな教育を行っていくことにあります。
系属校化9年目を迎え、キリスト教プログラムの他、大学出張講義や学問入門講座への出席、渋谷、相模原キャンパス訪問、キャリアガイダンスが実施される他、各学部の学生企画プログラムやクラブコーチとしての働きなど、学生との交流も盛んに行われるようになりました。大学への系属校推薦による進学者も大幅に増加しており、両校の連携はより確かなものとなっています。
Shine like stars !
教育の本質は、人格の育成にあります。自らの賜物を生かし、未来社会を勇気と希望をもって進んでいく人格の育成こそ、今、学校教育が果すべき使命です。 自立した社会人として行動し、分断が深まる世界の中で、共感と共生の気持ちをもって平和な世界を志向する者となること。本校で行われる毎日の礼拝や聖書の学びは、そうした人格の基盤になります。神から与えられた自分の命を大切にし、「自分の人生には意味がある」と確信をもって言える体験や学びを通して、生徒は卒業後の生き方を真剣に考えます。
そのスタートとして、あなた自身の光が、横浜英和で星のようにキラキラと輝いていきますように!